マーケティングファネルの設計|段階別KPIと施策を可視化する

公開日 約12分で読めます
タブレットに表示された分析ダッシュボードとグラフ

「施策はいろいろ打っているのに、売上につながっている実感がない」——マーケティング担当者なら、一度はこのモヤモヤを抱えたことがあるのではないでしょうか。広告も、SNSも、メルマガもやっている。でも、どれがどこに効いているのかが見えない。これは、施策が「点」のまま散らばっていて、お客様が買うまでの「線」でつながっていないことが原因です。

そのつながりを描く設計図が、マーケティングファネルです。お客様があなたの商品を知り、興味を持ち、比較し、購入し、ファンになるまで——この一連の流れを段階に分け、各段階に「KPI」と「打つべき施策」を割り当てる。それだけで、どこが詰まっているのかが一気に見えるようになります。

この記事では、ファネルの基本構造から、認知・興味関心・比較検討・購入・継続/紹介の5段階それぞれのKPIと施策、AIDMAやAISASといった購買行動モデルとの関係、そして業務フロー図として可視化する具体的な手順までを順に解説します。読み終わる頃には、自社のファネルを1枚の図に落とし込む道筋が見えているはずです。

この記事でわかること

  • マーケティングファネルの基本構造と、設計する3つのメリット
  • 認知→興味関心→比較検討→購入→継続/紹介の5段階それぞれのKPIと施策
  • AIDMA・AISASなど購買行動モデルとファネルの関係
  • ファネルを業務フロー図として可視化する手順とMermaidでの描き方
  • 設計でつまずきやすい失敗パターンと、その対策

マーケティングファネルとは?設計する3つのメリット

マーケティングファネルとは、見込み客が商品やサービスを「知る」段階から「購入し、ファンになる」段階まで、どのように移っていくかを段階で表したモデルです。ファネル(funnel)は「漏斗(じょうご)」の意味。上の段階ほど人数が多く、下に進むほど絞り込まれていく様子が、漏斗の形に似ていることが名前の由来です。

たとえば広告を1万人が見たとして、サイトを訪れるのは1,000人、資料請求するのは100人、最終的に購入するのは10人——というように、各段階で人数が減っていきます。この「減り方」を数字で把握できるのが、ファネルの最大の強みです。

ファネルを設計する3つのメリット

  • ボトルネックが特定できる:どの段階で離脱が多いかが数字で見えるため、「広告は当たっているのに購入が伸びない=比較検討段階に問題がある」といった原因の切り分けができます
  • 施策の優先順位がつけられる:限られた予算と人手を、最も詰まっている段階に集中投下できます。全段階を平等に頑張る必要はありません
  • チームで共通言語ができる:営業・マーケ・カスタマーサクセスが同じファネル図を見れば、「いま自分たちはどこを担当しているのか」がひと目で揃います
現場の業務改善担当

ミナミさん

現場の業務改善担当

施策ごとの効果は見ているつもりなんですが、全体としてどこが弱いのかが正直わからないんです…。

DrillSparkコンサルタント

スパーク先輩

DrillSparkコンサルタント

それがまさにファネルの出番だよ。施策を1つずつ眺めるんじゃなくて、お客様が買うまでの『流れ』として並べてみる。すると『広告は強いのに、比較検討で半分が消えている』みたいに、弱点が一目で浮かび上がるんだ。

ファネルの5段階を全体像で押さえる

現代のファネルは、購入して終わりではありません。購入後の「継続」や「紹介」までを含めて設計するのが主流です。ここでは、認知→興味関心→比較検討→購入→継続/紹介という5段階で全体像を押さえましょう。

まずは、お客様がどの段階をどう通過していくかを業務フロー図で見てみます。下の図は、各段階での判断(離脱するか、次へ進むか)まで含めたファネルの流れです。

図1:マーケティングファネルの5段階と各段階の判断

ポイントは、各段階の間に必ず「判断(離脱するか進むか)」が入ることです。離脱した人をそのまま放置するのではなく、「再アプローチ」「ナーチャリング(見込み客の育成)」へ回す流れまで描いておくと、取りこぼしを減らす設計になります。

段階お客様の状態ゴール
認知商品の存在を知った知ってもらう・覚えてもらう
興味関心もっと知りたいと思っている情報提供で関心を深める
比較検討他社と比べている自社を選ぶ理由を示す
購入買うと決めた迷いなく決済まで導く
継続/紹介使い続け、人に勧めるリピートと口コミを生む

段階別のKPIと施策を割り当てる

ファネルは段階を分けただけでは機能しません。各段階に「何を測るか(KPI)」と「何をするか(施策)」をセットで割り当てて、はじめて運用できる設計図になります。ここが設計の核心です。

段階主なKPI代表的な施策
認知インプレッション数・リーチ・指名検索数Web広告、SNS運用、SEO、プレスリリース
興味関心サイト訪問数・滞在時間・メルマガ登録数ブログ記事、ホワイトペーパー、メルマガ
比較検討資料請求数・問い合わせ数・デモ申込数事例集、比較表、無料トライアル、ウェビナー
購入成約率(CVR)・受注数・客単価見積提示、クロージング、決済導線の改善
継続/紹介継続率・解約率・NPS・紹介数オンボーディング、サポート、紹介プログラム

KPIは「数」と「率」の両方を見る

各段階のKPIは、絶対数(例:資料請求100件)だけでなく、転換率(例:訪問者のうち何%が資料請求したか)の両方で見るのがコツです。絶対数だけ追うと「広告予算を増やせば数字は伸びる」だけの話になりがちですが、転換率を見れば「予算を増やさずに改善できる余地」が見えてきます。

施策を一気に全段階へ展開するのは禁物です。まずファネル図に現状の数字を書き込み、最も転換率が低い「詰まっている段階」を1つ特定してから、そこに施策を集中させましょう。改善のインパクトが最も大きい順に手を打つのが鉄則です。
DrillSparkコンサルタント

スパーク先輩

DrillSparkコンサルタント

KPIを決めるときのコツは『その数字が動いたら、次の段階の数字も動くか?』を自問すること。資料請求は増えたのに受注が増えないなら、それは資料請求の『質』が悪いサインかもしれない。段階どうしのつながりで見るのが大事だよ。

AIDMA・AISASなど購買行動モデルとの関係

ファネルを設計するとき、土台として役立つのが購買行動モデルです。代表的なAIDMAとAISASを知っておくと、各段階で「お客様の心が今どう動いているか」を踏まえた施策が打てるようになります。

AIDMA:マスメディア時代の基本モデル

AIDMA(アイドマ)は、Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)の頭文字をとったモデルです。テレビCMや雑誌広告など、お客様が情報を一方的に受け取る時代に生まれた、購買心理の基本形です。

AISAS:ネット時代の検索・共有モデル

AISAS(アイサス)は、Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)の流れです。AIDMAとの大きな違いは、「検索」と「共有」が入っていること。お客様が自分で調べ、購入後にSNSや口コミで体験を発信する、現代の行動を反映しています。

ファネル段階AIDMAAISAS
認知Attention(注意)Attention(注意)
興味関心Interest(関心)Interest(関心)
比較検討Desire・Memory(欲求・記憶)Search(検索)
購入Action(行動)Action(行動)
継続/紹介Share(共有)

表のとおり、AISASでは比較検討の段階に「検索」が、継続/紹介の段階に「共有」が対応します。だからこそ現代のファネルでは、検索で見つけてもらうためのSEOやレビュー対策、そして購入後に共有してもらうための紹介プログラムが重要になるのです。

現場の業務改善担当

ミナミさん

現場の業務改善担当

モデルが何種類もあって、どれを使えばいいのか迷います。全部覚えないとダメですか?

DrillSparkコンサルタント

スパーク先輩

DrillSparkコンサルタント

全部暗記する必要はないよ。大事なのは『お客様は購入前に自分で検索する』『購入後に体験を共有する』という今の行動を、ファネルに織り込むこと。AISASは、それを思い出すための便利なチェックリストくらいに使えば十分だ。

ファネルを業務フロー図として可視化する手順

段階・KPI・施策がそろったら、いよいよ1枚の業務フロー図にまとめます。頭の中や表計算ソフトに散らばった情報も、フロー図にした瞬間に「どこが断絶しているか」「どの離脱を放置しているか」が浮かび上がります。次の5ステップで進めましょう。

  1. 段階を縦に並べる:認知から継続/紹介まで、5段階を上から下へ配置します
  2. 段階間に判断を入れる:「次へ進む/離脱する」の分岐をひし形で描きます
  3. 離脱の行き先を描く:離脱した見込み客をナーチャリングや再アプローチへ回す矢印を加えます
  4. 各段階にKPIを添える:ノード名や注釈にKPIを書き込み、測定ポイントを明示します
  5. 担当部署で色分け・レーン分けする:マーケ・営業・CSなど、誰が担当する段階かを区別します

離脱を回収する流れまで描いた、より実務的なファネル図が次の例です。離脱した人を切り捨てず、育成ループに戻している点に注目してください。

図2:離脱回収まで含めた実務向けファネルフロー

DrillSparkなら話すだけで3秒で図になる

「フロー図を描くのが面倒で続かない」——これはツール選びで解決できます。DrillSparkは、設計したファネルの内容を日本語で話しかけるだけ。AIが壁打ち相手になりながら、約3秒でフローチャートの下書きを生成します。

さらに、ファネルの各段階を掘り下げる「ドリルダウン」機能を使えば、たとえば「比較検討」段階だけを開いて、その中の細かい施策フロー(ウェビナー→個別相談→見積)を階層的に整理できます。全体は1枚でシンプルに、詳細は掘り下げて——という管理が可能です。生成した図はMermaid形式で出力できるので、社内ドキュメントやWikiにもそのまま貼り付けられます。

DrillSparkコンサルタント

スパーク先輩

DrillSparkコンサルタント

ファネル図は『一度作って終わり』にならないのがコツ。施策を変えたら図も更新する。DrillSparkなら話しかけるだけで直せるから、図がいつも現状と一致した『生きた設計図』になるよ。

ファネル設計でよくある3つの失敗と対策

ファネルを作ったのに成果につながらない——その原因は、たいてい次の3つに集約されます。先に知っておけば、確実に避けられます。

失敗1:購入をゴールにしてしまう

購入で図を終わらせてしまうと、継続率や紹介といった「購入後の伸びしろ」が見えなくなります。多くのビジネスでは、新規獲得より既存顧客の維持・紹介のほうが費用対効果は高いもの。必ず継続/紹介の段階まで描き込みましょう。

失敗2:離脱した人を放置する

「比較検討で離脱=終わり」と考えると、せっかく関心を持ってくれた見込み客を取りこぼします。離脱者をナーチャリングへ戻すループを描いておけば、今すぐ買わない人も「将来の顧客」として育てられます。

失敗3:KPIを数だけで見て、率を見ない

絶対数だけを追うと「予算を増やせば数字は伸びる」という結論にしかたどり着けません。各段階の転換率を見れば、予算を増やさずに改善できる弱点が見つかります。数と率は必ずセットで確認しましょう。

ファネルは一度作って終わりではなく、四半期ごとなど定期的に数字を入れ直して見直すのが理想です。修正しやすいツールを選んでおくことが、見直しを続けられるかどうかを大きく左右します。

まとめ|まず自社のファネルを1枚の図に

この記事のまとめ

  • ファネルは、認知→興味関心→比較検討→購入→継続/紹介の5段階で購買の流れを表すモデル
  • 各段階に「KPI」と「施策」をセットで割り当てて、はじめて運用できる設計図になる
  • AIDMA・AISASを土台にすると、検索や共有といった現代の行動を織り込める
  • 離脱者をナーチャリングへ戻すループまで描くと、取りこぼしの少ない設計になる
  • 数と率の両方を見て、最も詰まっている段階から改善するのが鉄則

マーケティングファネルの設計で大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。まずは認知から継続/紹介までの5段階に、いまわかっている数字をざっくり書き込んでみる。それだけで、「どこが詰まっているのか」という最も重要な問いに、自分なりの仮説が立てられます。

頭の中でぼんやり考えている施策の全体像も、業務フロー図として可視化した瞬間に、断絶や取りこぼしがはっきり見えてきます。とはいえ、白紙から図を描き起こすのは骨が折れるもの。そんなときこそDrillSparkの出番です。

自社のファネルを日本語で話しかけるだけで、AIが約3秒でフローチャートの下書きを生成。ドリルダウンで段階ごとに掘り下げ、完成した図はMermaidで出力できます。クレジットカードは不要、無料で始められます。まずは自社のファネルを1枚の図にするところから、始めてみてください。

現場の業務改善担当

ミナミさん

現場の業務改善担当

5段階にKPIと施策を当てはめるだけ、と聞いたら、なんだか描けそうな気がしてきました。まずは現状の数字を入れて、どこが詰まっているか見てみます!

DrillSparkコンサルタント

スパーク先輩

DrillSparkコンサルタント

その一歩が何より大事!完璧な図じゃなくていい、まず現状を1枚にするところから。弱点さえ見えれば、次に打つ手はおのずと決まってくるよ。応援してる!

よくある質問

マーケティングファネルとパーチェスファネルは違いますか?
パーチェスファネルは、認知から購入までの「買うまで」の流れに焦点を当てた古典的なファネルを指します。一方、現代のマーケティングファネルは購入後の継続・紹介(ロイヤル化)まで含めて設計するのが一般的です。本記事では購入後まで含めた5段階で解説しています。
BtoBとBtoCでファネル設計は変わりますか?
基本の5段階は共通ですが、BtoBは比較検討の期間が長く関与者も多いため、資料請求やウェビナー、商談といった中間段階のKPIが重要になります。BtoCは認知から購入までが短いことが多く、認知と購入の転換率改善が中心になりやすい、という違いがあります。
ファネルの各段階のKPIはどう決めればいいですか?
まず各段階で「お客様にどうなってほしいか」というゴールを言葉にし、それが達成できたかを測れる指標を選びます。たとえば興味関心ならメルマガ登録数、比較検討なら資料請求数です。絶対数だけでなく、前段階からの転換率もセットで見るのがコツです。
ファネル図はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
施策や数字は変化し続けるため、四半期に一度など定期的に最新の数字を入れ直して見直すのが理想です。修正しやすいツールを使えば更新が習慣になり、図が常に現状と一致した「生きた設計図」として機能します。
離脱した見込み客はどう扱えばいいですか?
離脱=終わりと考えず、ナーチャリング(メルマガや有益な情報提供による育成)の対象として扱いましょう。今すぐ買わない人も、関係を維持しておけば将来の顧客になり得ます。ファネル図に離脱を育成ループへ戻す矢印を描いておくと、取りこぼしを防げます。

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